- 野菜工場
野菜工場についてお知らせします
中央アジアの某国関連にて野菜工場の提案を頼まれています。
5月から9月までに大麦やひまわりやゴマなどを育てているらしいがそれ以外の裏作時は零下20~30度で、日照はなくブリザードで氷が飛んでくる、という事だ。
流石にこれは条件がきついのでは?
日本の農業技術者にこれから条件を提示し確認していきます。
何とかして欲しいものです。
植物工場はその多くが水耕栽培である。
しかし、植物は普通『水』では育たない。
そのことはこれまた普通だれでも知っている。
植物工場というのだから、なにか近代的な、現代的な、科学的な仕掛けで出来るようにしているのだろう。。。
これまた、大概の人がそんな印象を持っているはずだ。
それに、まだ植物工場という言葉が一般に対してインパクトを持っていない、ということもある。
どこで育とうが、野菜は野菜。
安くて見栄えの良い物が買えれば良い。
それでも最近は食物や栄養あるいは農薬に対する知識が広まって勉強している人も多い。
本当にこだわる層と、全くそんなことを気にしない層とザックリ二分化しているのだろう。
元へ戻すと、自然にとって不自然な水耕栽培はそこにやはりからくりがある。
もちろん、悪い意味で言っているだけではないし、技術の進歩は当然ながらあるだろう。
植物は土の中の栄養素(金属イオン、ミネラル)を伸ばした根っこでイオン交換して選択吸収する。
金属イオンミネラル分は当然プラスイオンであるから、土壌がマイナスに帯電されていないとプラスイオンを持つことが出できない。
ある意味ジョークとして『土』と言う文字は『+-』の組み合わせで出来ていると話題にするくらいだ。
水の中ではイオン交換は出来ない。
したがって、植物の必要とする栄養素を<浸透圧>を使って植物へ押しこむ形となる。
形は違うが北京ダックのようなイメージかもしれない。
それならば『土』を使って植物工場をやればよいではないか?
と誰もが思う。
そして、当然その研究は昔からやっているのだ。
しかし表には出てこない。
皆失敗しているから。
失敗の記録は表に出てこない、というわけである。
『土』を使った植物工場を可能にするのが『ヴェルデナイト』という人工培土だ。
<人工培土>と言っても天然物の掛け合わせなので、人手を経ることを人工と言っている。
天然物由来だが工業製品なのである。
つまりは<均一>なものが(土)<大量生産>出来るのである。
ヴェルデナイトは<保湿性>と<保肥性>を併せ持つ<土の性能>そのものである。
しかも軽くて凝縮も可能だから、保存や輸送が可能になる。
植物<工場>なのだから、工場としての素材としての性能を持たなくてはならない。
つまりは均一および大量に使用することが前提なのである。
『水』はこの要件を満たす。
だから水耕栽培、なのである。
しかしそれは、土耕に失敗しているというマイナスの出発からの到達点だ。
土耕で出来ればそれに越したことはない。
植物自体もそのほうが嬉しいだろうから。
つい先日日本で一番有名であろう植物工場の会社が倒産した。
理由は色いろあるのだろうが水耕栽培をしていたのは事実である。
この度福島での復興支援も含め農業および植物工場を開始する会社とタイアップすることになった。
そこは水耕栽培をやらず土耕でやりたいということと、打ち合わせをした時に既にヴェルデナイトをご存知だった。
植物の育ちが良くなるミネラルをお持ちとの事だった。
弊社にも、植物由来の添加剤や微生物や微生物を活性化する商材などを揃えている。
ヴェルデナイトとこれらの相乗効果で良い農地、良い植物工場を建設したいと思っている。
コーディネーションコンサルタント
建部真一
お便り相談はこちらへどうぞ
tatebe@vcj.biz
株式会社ヴェルデオンコンサルティングジャパン
http://vcj.biz/
株式会社ヴェルデオンコンサルティングジャパンFBページ
https://www.facebook.com/VerdeonConsultingJapan
建部真一FBページ
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ケニア以来のご無沙汰となりました。
日々忙しく時間は流れていきますが、何故かこの画面に向かい合うことがなくなったのでした。
ちなみにその後、香港での植物工場は完成し、また、第2回のケニア訪問も終わりました。(今回私は不参加)
私はといえば温泉発電の研究などを始め、植物工場との相性を考えております。
最近ヴェルデナイトに関する問い合わせと注文が多くなってきております。
人工光で栽培、レタス初出荷へ 近鉄が植物工場を公開
http://www.nikkei.com/article/DGXNASHD1201U_S2A910C1LDA000/
こんなのも影響しているかも知れませんね。
ご興味の方はこちらをご覧ください。
http://vcj.biz/index.html
昨日は「国際傑人教育基金」の投資案件受入検討会がありました。
「国際傑人教育基金」のことをご存知の日本人は殆どいないでしょうが、1999年に香港で設立され、2000年からは日本窓口が活動を始めております。
基金は設立当時600名の事業家(投資家)にて組織され、発起人で設立者のS理事長が運営していますが、日本人はSさんだけで、あとは全部外人、と言う面白い組織です。
GCG(湾岸諸国)およびアフリカ以外にはネットワークの投資家が現地にて事業を営んでいるわけです。
ヴェルデの植物工場は世界初の土壌を用いた植物工場なのですが、もちろんこの土壌(ヴェルデナイトX)があるから可能となっています。
実は、2002年にヴェルデナイトの中国展開のために上海を訪れているのです。その時ご一緒したのがS理事長で、上海の農業特区ではアメリカ在住の台湾華僑の方と是非とも一緒にやろう、と言う話になったのですが、残念ながらその時は国内の状況が許さず流れた経緯があるのでした。
ちなみにその方は、今上海のコンベンションセンターを建築中です。
もっと深いつながりを続けておけばよかったなあ…
植物工場の技術は日本が一番進んでおり(人工照明型)、今後海外のオファーも沢山来るでしょうから海外ネットワークへの情報発信が大事になりますね。
散歩のあとメールの処理など。
日曜の朝はうらうらと進む。
仲間がひとり上海の学校の立ち上げで移住します。
本日夕方は送別会。
上海は本当に発展発展第発展、の時期ですね。
植物工場についてはその進捗状況が早くなってきました。
中国からの見学者が増えています。
これも時代の流れでしょう。
ヴェルデナイトタブレットも上海からの要求があるかもしれません。
海外で広まれば、国内での発展にも拍車がかかるのではないかと胸算用。
横浜みなとみらいにあるグループウェアの会社を訪問し説明を受けていた。
コンサル先のWEBシステム開発会社に導入するためである。
結構詳しく話をした。親切な担当さんであった。
近いのでその後野菜工場をやっている会社を訪問。ここは水耕栽培の植物工場である。
我々は土を使用するが双方良いところもあれば改善の必要なところもある。
ニーズに合ったものを選択することか大切であろう。
この会社は某大手ランドに口座を持っていて1日約7000枚の葉物野菜を納めている。
今後更に工場増設の予定。
このルートを活用してグッズを入れようとしている。
韓国人コーディネーターから持ち込まれた小物だけどキャラクターを入れるといける感じがする。
採用になったらお知らせします(^-^)/
本日は韓国のコーディネーターと商談
韓国の事情でも安心な野菜に注目が集まっているとのこと
ヴェルデナイトにも大変興味が有るそうだ
野菜工場では出口が大切なことを伝えた
売り先の確保が大事なのである
政府からの資金の話も出た
イニシャルを押さえる事が大事なのである
であればこれはありがたい
また少し間を空けてしまいました。
一応毎日を目指しておるのではありますが、そこはそれ植物と同じ生き物でもあるわけで光が当たらなければ光合成ができない、ということもあります。LEDに城よ、という意見はまたとしまして。
豚インフルエンザのせいにしないところなどは堂々としたものですから。
植物工場の基礎知識、というのがなかなかお出し出来ませんでしたが鋭意復活したいと思います。
引用は高辻先生です。
先生は植物工場ワーキンググループの座長をされている方です。
「最近ふたたび植物工場が脚光を浴びるようになった。
それには二つの理由が考えられる。
一つは消費者の食の安全・安心への志向である。
2006年5月には残留農薬ポジティリスト制が施行され、基準以上の農薬が検出されるすべての食品の流通販売が禁止された。
これはもちろん生鮮野菜にも通用されるから、近年急増する輸入野菜には逆風になるとともに、完全無農薬で新鮮な野菜を供給する植物工場には追風になる。
もう一つの理由は最近、蛍光灯やLEDといった熱放射の少ない栽培光源が現れ、ビル型の完全制御型植物工場のみである。
これが実用化された暁には、レタスやホウレンソウなどの葉菜類生産の本命は完全制御型植物工場になる可能性すら秘めている。」
ということで、大手企業がどしどし取り組みをしているのはご存知のとおり。
先日は韓国勧告の企業からのオファーが小生にも来ております。
いかんせん規模が大きくなるので、実際に進むまでは結構大変ですけどね。
写真は先日の幼稚園の施工。
土にヴェルデナイトを混合し種を蒔いて覆土してあります。
一緒にお仕事をしているパートナーさんはたくさんいるのですが、一人の方と、植物工場を愛知県の新しい某市長に提案しようと思っています。
土を使った野菜工場は世界で初めてですし、水耕栽培と違って人手が必要です。工場なのに人手が必要?と思う方も多いかと思います。
しかし、人手が必要、ということは、ここに雇用が生まれる、ということにほかなりません。
農業は開始からずっと重労働でした。それは炎天下であったり、洪水であったり、極寒の地であったり、襲ってくるイノシシや、スズメや、さまざまな昆虫。これらから守るとともに、際限なく生えてくる雑草と格闘しなければならなかった。それでも食べるためにはやらねばならなかったし、やらざるを得ないというシステムにもなっていた。
戦後、そのようなものから一気に開放されたのが日本でした。
農業労働をある意味強制する村落制度や小作制度がなくなり、戦争で余った毒ガスが農薬となり虫を寄せ付けず雑草も生えなくなった。また化学肥料の登場で土地を肥やす作業もなくなった。
現在の米作りなど、極端に言えば、機械で田植えしてその後コンバインで収穫する、という2回の手間でできるわけです(これ極端に言ってます。手塩で育てている農家の方もたくさんいます)。
それでも農業人口は減り続けた。
多くは言及しませんが、要は魅力がないからでしょう。
本当はいいものなのに、魅力を見せることができない、というの0も魅力のないうちです。
現在のお年寄りがいなくなると(失礼!)日本の農業は壊滅する、といわれています。これがどこかの国のグランドデザインだったりすると『敵ながら天晴れ』などと言っていられないほど陰惨な話です。
そんなお年寄りでも、立ったまま、あるいはいすに座ってできる農業ならできると思います。
その場で、退職者や、農業に興味を持つ若者を集めて作業すれば農業の伝統を新たな伝統につなげることができるでしょう。
それが、今回植物工場を提案する理由です。
日本の農業を盛り返し、有機無農薬の野菜を愛情持って育ててもらい、それを学校や施設や行政に使ってもらえたら、こんなに良い公共事業はないではありませんか?
いかがなものでしょう
今回は展示会のレポート。少し長いです。
26日の午後に東京ビッグサイトの国際太陽電池展及び国際水素・燃料電池展に出かけた人の流れがすごかった。
展示会の中でもかなりの人ごみであり、それぞれの技術への関心の高さが窺える。
植物工場の関連で、何か役に立つものがあるのではないかと言う期待と、環境系の先端分野の知識を仕入れておくのは必要なので、寒い中足を向けたのであった。
太陽電池関連からブースを回る。回ってみると以外に地味な感じで、本当に関連製品のブースがたくさん店を出している感じだ。NHKも取材に来ており、曲げることもできて、女性の持っているバッグにソーラーパネルが付いているものなどを映していた。
専門的なものが多く、人目を引いて楽しめるようなものはあまりなかった。プロの世界である。これはある程度技術が確立しているからであろう。
ソーラーの基本特許は国内メーカー5社ほどが持っているので、今のところ参入障壁が高く、もっと格安になるには少し大変なのかもしれない。
もちろんソーラーを出しているところは結構あるが、パテント代を払うとなるとそれほど安いものにはならないのである。
ここでの収穫は本屋さんだった。
技術系のそれなりの人ならご存知だと思うがエヌ・ティー・エスという本屋さんで、2週間本を貸してくれて、良かったら買うし、良くなければ返品可能、というもの。多分日本にはここしかなくて、世界にはあるかもしれない、とのことだった。
1冊平気で数万円したりするのだが、結構皆さんかっていくらしい。
執筆者も超一流で、最先端のものの情報を得ることができると言う。
海外に売るときには値段を100倍にして欲しいとアドバイスしておいた。
ココム違反みたいなものだからね。
水素・燃料電池展のほうが夢があった。それはまだ技術的に確立していないからだろう。
なぜかチョウザメの養殖をやっている企業があって、たまたま新規事業なのだそうだ。明日行くとチョウザメがもらえると言う。水槽があれば飼うことは可能だそうだ。
国産のキャビアを食べることができるのももうすぐだ。燃料とはまったく関係ないが。
車のブースではコスモ石油の方の説明を聞いた。横浜の大黒ふ頭に水素のスタンドがあることを初めて知った。聞いてみると、1日に1台は水素を入れに来るらしい。待っていれば遭遇すると言う。ちなみに現在水素の充填はただとのこと。
もちろん買えば1億円もするものを、リースで年1,000万弱支払っているらしい。個人のユーザーはいなくて、皆さん企業の方のようだ。後は霞ヶ関関係である。
まあ、日本の将来のために皆さんで実験してくれているのであろう。
その他水素漏れを感知する機会など面白かった。
水素は無色無臭だし、漏れていても分からないのだが、更に燃えていても見えないのである。「それじゃ燃えるものかざして歩かないと分からないね」と質問したら「アメリカではほうきを持って確認してます」と言われた。本当かよ?棒でつついて地雷を探すようなものだな。
『野菜や苗を中心にした作物を施設内で光、温湿度、二酸化炭素濃度、培養液などの環境条件を人工的に制御し、季節や場所に関係なく自動的に連続生産するシステム』
を植物工場の定義として高辻先生は書いておられます。
農業はその始まりから、現在までもその主流は土地を耕して種をまき、生育させて刈り取ると言う露地栽培です。
しかし人間の英知と技術の進歩から施設園芸が生まれ、水耕栽培を行い、更に直物工場と発展して来ました。
施設園芸が発展したおかげで野菜や花の端境期がなくなり、周年的な供給が可能になったのは、露地栽培が天候や土壌など自然環境の影響をもろに受け生産が不安定なことを克服しようと努力してきたからです。
施設園芸は供給については進歩を遂げましたが、問題点がないわけではありませんでした。それは露地栽培にせよ施設園芸にせよ農薬の使用は避けることができないため、生産者消費者双方に安全安心とはいえないからです。
また、施設園芸はハウスなどを使用するので夏場の温度管理がむつかしと言う問題もあります。
この辺を解決したのが植物工場であり、空調を入れた虫の来ない空間で作業を行う限り虫に対する農薬の必要がなくなります。
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『完全制御型 植物工場』高辻正基著(オーム社)を参考にさせて
いただいております。
先日に引き続いて助成金についての質問を農水省にしてみました。
部署の編成替えがあったらしく、また担当の方も他部署から来たばかりと言う訳で、結構長丁場の電話になりました。
強い農業づくりの支援(「強い農業づくり交付金」公募など)
http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/seisantaisaku/index.html
と言う、支援政策をやっているのですが、その中は色々と分かれていて
http://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/080620_1.html
このような感じになっております。
今年度の募集はすでに終わっておりますが、来年度も同様の募集は行われるようなので、該当者あるいはそのようなことを考えている方は早めの準備が必要です。
企業以外は各農政局に質問するのが一番早いと思います。
それにしても、農水省の助成は(他も同様かもしれませんが)メニューから選ぶ形なのですね。こちらからこのようなものに対して助成はかなわないか?と言う質問と言うか提案を上げるやり方は無いそうです。
やはり、お上に直訴するには獄門打ち首覚悟なのでしょうかね^^?
しかも募集の次期は決っており、その期間は短く、情報は取りに行かねばならず、さらに決定までは時間がかかり、助成金の出るにあたってはその時期などが要綱上は決ってないらしい、のです。
等と、なんだか農水省の悪口みたいに聞こえますが、大事な国民の税金を使うのだからその辺のハードルは高いのです、と言う理由はまあもっともでもあります。
新しい情報が入り次第このブログでは開示して行きますのでお待ちください。
わが国の実用化植物工場の草分けは、1980年代前半、海洋牧場社によって静岡に現れたカイワレ生産工場です。
それまでもっぱら土壌栽培だったカイワレ大根が、これを機に急速に工場生産物に変わっていったのでした。
完全制御型植物工場のわが国の実用か第1号は静岡の三浦農園でした。
三浦農園は1983年にスタートし、平面式と三角型の栽培システムを開発したのです。
夫婦二人で経営に当たってコストを下げることができたことと、当時としては相当高度な栽培技術新田していたため10年近くギリギリではあるが採算性をあげていたのは特筆に価すると思います。
イニシャルコストもランニングコストもかかる植物工場は、今や<近接照明(蛍光灯やLED)>と<多段栽培(ビル農場)>によって採算の取れるところに来始めたが、それについては、このような先人の努力があると言えます。
そして『日本植物工場学会』が設立されたのが1989年4月のことでした。
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『完全制御型 植物工場』高辻正基著(オーム社)を参考にさせていただいております。
○○県○○市役所企画政策課 未来プロジェクト室と言うところから質問その他がありました。
・当市では、豪雪地でありますが、四季を通じた農業の実践を目指し、 野菜工場の産地化を進めております。・現在、市で用地を斡旋した2社により600坪の野菜工場が15棟立地しております。
<事業主体は地元企業の業種転換等>・今後も更に野菜工場の立地を計画しており、御社の栽培技術にはたいへん興味があります。
・また、当市では天然ガスのパイプラインが通っていることから安価なエネルギー確保が可能であるとの利点もあります。その他ご意見ご希望状況など:
・御社の詳しい資料をお送りいただきますようお願い申し上げます。
との事でした
その後資料も送り電話でのやり取りもしたのですが、すでに色々進めているなあ、と言うことと、今後についての意欲も十分であることがよくわかりました。
ここでも直接やる、と言うよりは、業者(会社)に情報をおろしていくようなことを考えているみたいです。
すでに北海道や九州の行政からも問い合わせや見学があるのですが、野菜工場についての関心は高いようです。
もちろん農業振興の意味は大きいのですが、もう一つは雇用対策です。
お年寄りの農業従事者や退職者あるいは障害をお持ちの皆様にも、軽作業程度の労力でできる野菜工場は向いているのだと思います。
最初に植物工場ができたのは1957年であると言われる。この年は後で非常に重要になるのだが、いずれにせよちょうど半世紀しかたっていない。
これはもちろんわが国ではなく、デンマークのクリステンセン農場でクレスのスプラウト一貫生産を始めて手がけたということだ。
立体式の自動植物工場はオーストリアのルスナー社。これは1960年代初頭。
完全制御型植物工場を最初に開発したのはアメリカのゼネラルエレクトリック社である。これも1960年代だ。
ちょうど日本の昭和30年代40年代あたりのその基礎が築かれているのが今にしてみれば面白い。当時の日本はまだ、肥溜めと人糞肥料が幅を利かせ、そして化学肥料と農薬を使いまくりの農業に転換するころではなかったかと思う。
野菜工場は日本の農業が現在の危機器に至る道を作り始めたころにその産声を上げていたのだった。
このことは捉えようによってはずいぶんと暗示的ではある。
野菜工場(植物工場)と言う言葉はどのようなイメージを喚起するのだろうか?
<有機等利用植物工場研究会>の高辻正基先生は「日本農学賞」と「読売農学賞」を受賞している植物工場研究の第一人者で現在東京農大の客員教授を勤めておられる。
その最近の著作『完全制御型植物工場』の前書きに
「植物工場には太陽光利用型と、まったく人工光のみによる完全制御型があるが、完全無農薬の野菜を天候にかかわりなく生産できるのは完全制御型植物工場のみである。これが実用化された暁には、レタスやホウレンソウなどの葉菜類生産の本命は完全制御型植物工場になる可能性すら秘めている。」と書いている。そして
「適正な技術を開発利用し、マーケティングの努力を怠らなければ、現状でも十分に実用化可能と思われる」とも記している。
地面にそのまま種を蒔き育てて収穫する、と言う事と比べ、少なくとも工場を建てなければいけないコストはいったいどこに吸収されるのか?
最も簡単な疑問だが当然の疑問でもある。
植物工場はこれらの疑問に答えることができるのであろうか?
野菜が育つことと、その野菜を流通し利益を上げていくことは別のことである。
「野菜工場」は日本の農業を担う一角になっていくのかどうか?聞き語りではあるがこのシリーズではこれら参考情報をお知らせしていきたいと思う。